よくみると「!」ついてる『オーケストラ!』
『オーケストラ!』の本編の上映が始まってだいぶ経ってから来られたお客様がいました。
そのお客様は「観るの2回目だから始まっててもいいよ」と言って劇場に入っていかれました。

ある常連のお客様は銀座で観て、渋谷で観て、バウスにも来てくれました。
劇中で流れている曲と同じ曲を家で聴かれたそうですが「映画館のスクリーンを観ながら聴くのとはやっぱり違うんだよねぇ」とおっしゃってたそうです。

『オーケストラ!』のチラシが並んでいるのを見て「あらっ、この映画ここでもやるの?私銀座で観たけど凄くよかったわよ。また観に来ようかしら。」と言ってくださったお客様もいました。

どれも中高年のお客様との会話です。人生の大先輩に好評の『オーケストラ!』。
ソ連時代にユダヤ人排斥を行ったブレジネフ政権下で不遇を囲った才能ある指揮者とオーケストラ団員達の苦悩の日々。そこからの再起をかけた闘い。そして再びの栄光を手に自分達の信じた音楽を響かせる感動のクライマックス。重厚な語り口で悲哀を帯びた美しい映像にチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が流れ、ラスト12分のオーケストラの演奏シーンは観る人の心を震わせます。
人生の先輩方に人気なのも頷ける、全編に崇高な雰囲気を湛えた作品です。

というのはウソです。
闘ってる感じはないですし、重厚な語り口でもないし、
悲哀を帯びてもないし、崇高な雰囲気はないし。
スタッフNいわく、「前半はクストリッツァぽいよね。ドタバタ・ハチャメチャ感のある喜劇で、音楽もあるし。」そうなんですよ。ユダヤ人だけじゃなくってロマの人達も出てきますしね。インドのベリーダンスも出てくるし。

ただ中高年のお客様が多いと言うのは事実で、もっと若いお客様にも楽しんでもらえる映画になっているのに勿体無い。もっと若い人観てくれ!と思いながらチケットもぎってます。
『オーケストラ!』なんていうタイトルだからクラシック音楽を題材にしたお堅い映画、なんて印象を持たれてしまうのでしょうか。でも「!」ついてますよ!
上映は30日(金)までです。老若男女のお客様、ご来場お待ちしております。

ちなみに、「ラスト12分のオーケストラの演奏シーンは観る人の心を震わせます」もホントです。



# by baustheater | 2010-07-28 11:49 | 映画 | Trackback | Comments(0)
におい
多くの人が2時間前後のあいだ閉じ込められる映画館の場内。
上映終了と同時に扉を開けると、その時々の客層によって漂ってくるにおいが変わります。
女性が多い場内、男性が多い場内、シニアが多い場内、子供が多い場内、酒飲みが多い場内・・・
程度の差はあれ、人間の身体は確実に“におい”を放って生きております。
皆さん“におい”気にしてますか?

こんなに暑く、汗をかく季節。
そんな季節だからか最近のバウスでは“におい”についての話題をよく耳にします。
“におい”といえばIさんはにおい話が大好きです。あーでもない、こーでもないとにおい話を展開して、最後は必ず「多少臭くてもスパイスが効いてるってことで、私は好きだ」てなところに落ち着きます。

先日はNさんが「忘れられないあのひとの匂い」について語りだしました。
もうそれは何十年も昔に嗅いだにおいの話なのですが、Nさんの話しぶりを見ているとNさんにはそのひとのにおいがいまだに鮮明に鼻の奥に残っていてそのにおいを頼りに記憶を手繰り寄せ、頭の中でその人の像を詳細に思い浮かべている様子が伺えます。
いや、もっと生々しくそのひとの質感みたいなものを思い出していたのかもしれません。
どちらにしろそのひとの事より、まずはその“におい”が先に鼻の奥に漂ってくるようです。
“におい”には過去の記憶や思い出にねっとりとからみついて忘れられなくさせる力があります。さらには視覚的なイメージよりも“におい”の方がより強く嗅覚に焼きついてしまうようです。“におい”ありきの記憶、そんな記憶の一つや二つ誰しも持っているでしょう。

そんな人間の感覚に強烈に訴えかける“におい”について衝撃の発言が映画に出てきたのを思い出しました。以前バウスでも上映していた『シャネル&ストラビンスキー』のなかであの有名なNo.5と呼ばれる香水を制作中のシャネルがいった台詞です。
「香水をつけない女性に未来はないわ」

誰かの記憶に残るため、明るい未来のため、
なにか“におい”を漂わせなければ!と真剣に考える今日この頃です。

# by baustheater | 2010-07-20 01:27 | バウス | Trackback | Comments(0)
ワールドカップのおもひで
終わりました。サッカーワールドカップが終わりました。 
・・・これからナニを楽しみに生きていけばいいのか途方にくれている方、
多いでしょう。そうでしょう、うんうん。

アフリカ大陸初のワールドカップを振り返って印象に残ったことは、
ブブゼラが想像以上にうるさい音だった事、
しかし大会終盤になってくると次第にその音に慣れてきた事、
イングランドVSドイツ戦のイングランドゴールの誤審に対してイングランドの選手が審判に全く抗議をせずに試合を続けた事、
ガーナVSウルグアイ戦のスアレスのハンドに対してバウスでも熱い議論になった事、
ワールドカップの試合の裏で放送されていたF1ヨーロッパGPの小林可夢偉選手のメチャかっこいい走りを見逃した事、
ワールドカップの試合を観た後は疲れてウインブルドンまで見る気力がなかった事、
でもベッカムはイングランド敗退の直後にウインブルドンの客席で観戦していた事、
この大会で本田に心奪われたストーカー体質のTさんがWikで彼に嫁がいることを知った瞬間、「××してやる!」と殺意を抱いた事、
そしてドイツのエジルが私好みの顔だった事

あ~楽しかった。
こんなに楽しかったらみんな寝不足で映画館に来ても寝ちゃいますよね。どうりでワールドカップ期間中はバウスも静かだったわけですよ。
さ、ワールドカップも終わりましたし、皆さん夜はぐっすり寝て映画観に来てくださいね。
ワールドカップの客席で応援しているのを国際映像でしょっちゅう流されていたミック・ジャガーの『ストーンズ・イン・エグザイル』も今日から上映始まりましたし。
バウスの7月後半は毎週新しい映画が登場しますのでお見逃し無く!


# by baustheater | 2010-07-12 22:27 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
爆音ビールとは
「爆音ビールってなんですか?」
BAUS①の売店にいるとよく質問されます。

爆音ビールとは栓を抜くとドカンと爆音が轟くビールです。 嘘です。
爆音ビールとは石川酒造さんという会社の作られている「多摩の恵」という地ビールに「爆音」の文字がデザインされたラベルを貼った瓶ビールです。
「多摩の恵」は酒屋さんでも販売しているのですがこの爆音ラベルを貼ったものは宇宙でもここ、バウスシアターでしか売っていません。
フルーティーな風味がありアルコールが苦手な方にもとても飲みやすい味になっています。
お酒に弱く、ビールの味もよく分からない私でもこのビールは飲みたいと思います。

爆音ビールというだけあって爆音上映を観に来たお客様がよく買っていかれます。
お客様が一人買われると、それをみた他のお客様も飲みたくなるのか立て続けに売れます。爆音映画祭の時もよく売れましたし、「ソウルパワー」のお客様もよく買っていかれます。
というか「ソウルパワー」のお客様はビールをよく飲まれるといった方がいいですね。
缶ビールもよく売れますが、週末の爆音レイトショー上映の時はあれよあれよという間に爆音ビールが売り切れました。

なんせバウスでしか売ってないデザインのビールなのでたまに持って帰られる方もいらっしゃいます。
先日も次々に売れる爆音ビールの栓をポンポン抜いて売っていたのですが、ポン!と栓を開けた瞬間「あっ、栓を抜いてないものをください」と言われました。
以来、爆音ビールを売るときは栓を抜いてよろしいですか?とお客様に確認してからポン!といくようにしています。


# by baustheater | 2010-07-01 23:25 | バウス | Trackback | Comments(0)
熱いのは紅茶だけではありません
欲しい紅茶があったので調べてみたら都内に売っているお店を発見。たまたま一緒にいたIさん、Mさんと行ってみようということになりました。
駅を降りて頭の中の地図を頼りにうろついてもたどり着けなかったので道行く人に尋ねたらすぐに見つかりました。くやしぃ。

紅茶の販売もしていますがその場でも美味しい紅茶が飲める店。主人がひとりで切り盛りしているようです。
美味しい紅茶と手作りと思わしきスコーンとパウンドケーキをぱくつきながら喋ること推定2時間半。時計の針は8時半を過ぎていました。「エッもうそんな時間!」Iさんは観ようと思っていたレイトショーに間に合わなくなりました。ハイ、残念。
すっかり遅くなっちゃったねぇ、とレジに向かったのですがここからが更に長かったのです・・・

そもそもここに紅茶を買いに来た私は店内の棚に並べられた100種以上の紅茶を前にしてどれにしようか悩み始めるのが早いか、主人の紅茶の淹れ方講座が始まるのが早いか、ってぐらい気付くと主人が背後に立って説明を始めていました。

これはちょっと長くなりそうだなぁ、と思いつつティーカップとポットを持ち出しての主人の紅茶の淹れ方講座はIさんとMさんにおまかせして私は紅茶を選ぶことに専念。
一つ選んでレジに持っていくとまだ主人の淹れ方講座は続いており私も講座を聞きつつ会計のタイミングをうかがいます。

フムフムと主人の話を聞きながら自然な流れで会計を促しますがここでもまた私の選んだ紅茶に関する説明が始まりました。
これはまぁそうなるだろうなと予想していた事でしたし、さほど長くなることなく終わったのですが、Iさんがレジに持っていったチャイが主人のハートに火をつけてしまいました。

「せっかくだから」と厨房に入った主人は鍋を持ち出し牛乳、茶葉、スパイス、生姜、砂糖を取り出して実演さながらに説明をし始めました。もうここまで来ると相当楽しい感じになってきて、Iさんと私は主人の話に質問を挟みながら熱心に聞き入りました。
一方、この時すでにMさんの心は紅茶を離れ夜空を彷徨っていたよう。チャイ講座に熱中する我々の視界からMさんの姿は消えていました。

「お茶は茶葉の品質も大事だけどそれ以上に淹れ方が大切」と繰り返し語る主人は
詳細に紅茶の淹れ方を説明し、
昨今のスーパー等における紅茶の販売状況に嘆き、
産地による味や色の違いを実際に産地を訪れた感想を交えて教えてくれます。
もうここまで来ると仕事としてのサービスを超え、主人の個人的な紅茶に対する愛情と情熱が溢れ出して止まらない、止められない。
主人の目の輝きは眩しいほどです。


店を出たのは9時半を過ぎた頃。
思いがけず熱い時間を過ごしてしまいました。
家に帰って店でもらったカードを見てみると閉店時間は7時半と書いてあります。
閉店時間を一時間も過ぎて喋りまくっていた私たちに退店を促すでもなく静かに厨房にいた主人。あのまま私たちが閉店時間を大幅に過ぎているのも気付かず話込んでいたらどこまで主人はほっといてくれたのでしょうか。

そんな主人にまた胸を熱くさせられた私、きっとまたあの店に行くことでしょう。

# by baustheater | 2010-06-25 01:49 | 食べ物 | Trackback | Comments(0)
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